「付書院(つけしょいん)」の床を挟んで反対側に配される空間を床脇(とこわき)と言います。
床脇には床脇棚が設けられますが、棚そのものが床の間の飾りであるので、あまり頑丈な造りではありません。また棚の種類としては48種類ほどあるそうです。代表的な形状として、一文字棚、違い棚、満月棚等があります。
その中でも代表格なのが、違い棚で高さの違う棚を2段組み合わせるものですが、床に近い側が高い方の棚となり、狆潜り(ちんくぐり:動物(犬)の狆がくぐれるような隙間としてこの名称がついていますが、本来は書院から採り込んだ光を違い棚の下側の奥まで届かせる役目を持っています。)から採り入れた光をさえぎらないように設置します。
また、元来、違い棚には置くものが決まっており、高い棚には冠・香炉・筆、低い棚には
烏帽子・壺・印判・巻物・書物・硯箱だそうです。高い方の棚の中央側には、置いた筆が転がって落ちないように「筆返し」が取り付けられ、現在も装飾として残っています。