何かとトラブルになりがちな「原状回復」。
「Q&A方式」で数回に分けて分かりやすく説明していきたいと思います。
Q1
契約書には「借主は、明渡しの際に原状回復しなければならない」と書かれています。
貸主は、原状回復は入居時の状態に戻すことだと言っていますが、本当ですか?
貸主が言う通りの費用を負担しなければいけないのでしょうか?
A1
原状回復とは、入居当時の状態まで回復することをいうのではなく、借主の故意・過失や通常の使用方法に反する使用など、
借主の責任によって生じた損耗やキズなどを復旧することをいいます。
貸主の主張通りに入居当時の状態にまで回復する義務はないといえます。
Q2
かなり古いと思われる物件に4年間居住していました。退去の際にバスルームの床が傷んでいるので、バスルームごと交換
するための費用70万円を請求されました。納得できません。
A2
床が傷んだ原因が老朽化によるもので、借主に責任がない場合には、借主の負担とはなりません。
次の入居者を確保する目的で行う設備の交換や、古くなった設備を最新のものに取り替える様な修繕は、リフォームや
アップグレードに該当すると考えられます。
Q3
2年間住んだアパートを退去することになり、契約書を確認したところ、特約条項に「原状回復、理由のいかんを問わず
借主負担とする」と書いてあることに気づきました。この特約は有効ですか?
A3
借主に通常の原状回復義務を超えた義務を課す特約が有効となるためには、一定の要件が必要とされます。特約があって
も無効となる場合もあります