夏の日にアスファルト道路のビル街を歩いていてすごく暑いのに神社などの森に入った瞬間、
ひんやりと涼しく感じた事はありませんか?
同じ暑い夏の日でも、体感する温度が違う・・・それはなぜでしょうか?
それは、周囲の表面温度の違いによります。
土よりもアスファルトの方が温度が高く、森よりもビルの方が温度が高い。
今、自分のいる所から見える景色の表面温度によって、感じる温度に変化が生まれるのです。
伝統的な日本の民家はエアコンなどの設備がなくても、室内を快適に保っていました。
それは、室温をコントロールしようとするものではなく、外の環境を活かして快適な「体感」をつくりだすというものでした。
建物の南北を通り抜ける風通しが重視されており、庇の出によって夏の日差しは遮られ、冬の日差しは屋内に取り込まれる等、
建築的な工夫が随所に見られます。
また北側に山を背負うように建てる事によって、北側の樹林が夏には冷気をつくり、冬には北風を遮り、心地良い体感を
つくりだしています。
こうした伝統的民家に備わった手法を「パッシブデザイン」といいます。
自然をうまく利用した家づくり・・・地球にもお財布にも優しいですね!
裏山をバックに建てられた古民家。
庇を出して、日差しの調整をしています。
屋根にも換気をとって、空気の流れをよくしてますね。
パッシブデザインを表した図。
南側の大きな窓の前に植えられた木は、落葉樹なので、夏は葉っぱが日差しを遮って、
冬は葉っぱがなくなって、太陽の光を室内に取り入れる事ができます。