島根県の旧名石州(せきしゅう)地域で作られる瓦のことです。石見銀山の近くの江津市を中心に太田市、浜田市、益田市などでも作られています。
特徴は鉄分の少ない良質の白陶土と、出雲の来待石(きまちいし)から取れる釉薬を使うことで作りだされた柿色(赤褐色)です。その色から赤瓦と呼ばれます。
この赤瓦は、一般的な瓦より高い1200~1300度で焼成するので、よく引き締まって硬く、濡れて水を吸い込む係数がとても低いのです。そのため、厳しい気候にも耐えられることから、雪に強い瓦と言われ、冷害や海岸付近に多い塩害にも強い瓦とされています。
そのいわれは、今でも日本海沿岸の古い町々を訪れると、赤褐色の石州瓦の街並みが残っていることからも伺えます。