何かとトラブルになりがちな退去の際の「原状回復」。
Q&A方式で分かりやすく説明していきたいと思います。
Q 畳やフローリング等に傷が付いた場合はどうなるの?
床は面積が大きく、傷を付けやすい箇所でもあります。
大きく分けると2つのパターンに分類できます。
(1)タンス、ラック、本棚等、重量があり、普段動かさない家具の重さによって少しずつ床に凹みができたケース
(2)イス(キャスター付を含む)や家具を動かしたことによってキズができたケース
(1)の事例の判断
タンス等の生活の必需品を設置するのは当然のことなので、その重量で床が凹んでしまうことはやむを得ません。
つまり、その凹みは通常の使用による損耗ということになり、それによって仮に修繕が必要になった場合でも、
その費用は貸主の負担となります。
(2)の事例の判断
床の上に保護マットやカーペット等を敷くなどして傷がつくのを防ぐことができるので、
通常の使用による損耗とは見なされません。故意や過失によるものと判断されてしまいます。
その傷の補修費用は借主の負担となります。
補修費用の負担範囲は、
■ 畳の場合
毀損部分がある1枚単位。毀損が複数枚にわたる場合はその枚数。
経過年数や残存価値は考慮されません。
■ フローリングの場合
原則として㎡単位。ただし、毀損部分が壁一面に対し複数箇所にわたる場合は、壁一面。
費用負担は、部分補修の場合は経過年数による価値の減少が考慮されませんが、全体補修
の場合は残存価値を考慮して決定します。
■ カーペットの場合
原則として毀損部分のみ。ただし、毀損部分が複数にわたる場合は全体。
費用負担は経過年数による残存価値の範囲での負担となります。