住まいのメンテナンススケジュールを知っておこう|戸建住宅の修繕計画│ リノベーションのアイビス

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住まいのメンテナンススケジュールを知っておこう|戸建住宅の修繕計画

住まいのメンテナンススケジュールを知っておこう|住宅の修繕計画

住宅は年月の経過に合わせて、さまざまなメンテナンスが必要になってきます。
特に戸建住宅は、マンションと比べると、完成後のメンテナンスがついつい見落とされがちです。
どの箇所を、どのタイミングでメンテナンスすればいいのか?
そして、それぞれのメンテナンスにはいくらかかるのか?
今回は、戸建住宅のメンテナンス、修繕計画について解説していきます。

目次

  1. 1.築年数で見る!戸建て住宅のメンテナンス箇所
  2. 2.部分・箇所で見る!戸建住宅メンテナンスの最適な時期
  3. 3.メンテナンスの時期・費用一覧|戸建住宅の修繕計画
  4. 4.知っておきたいメンテナンスの重要性
  5. 5.まとめ

1. 築年数で見る!戸建て住宅のメンテナンス箇所

築年数で見る!戸建て住宅のメンテナンス箇所

戸建て住宅の場合、マンションとは異なり、所有者自身で建物内外のさまざまな箇所のメンテナンスを計画する必要があります。
住んでいる中で、あらゆる箇所に目を配らなければならないものの、それぞれに優先順位や適切な時期があります。
常に風雨にさらされる外壁や屋根、あるいは鉄や木製部分などは、建てたままにしておくと、材質が劣化し少しずつ傷んできます。
また、建物の内部についても、クロスや床、水回り関係などは、日々の生活に中での損耗や経年劣化をしていくものです。
ここでは築年数ごとにメンテナンスが必要となる箇所を分類してご紹介します。

▽築5年~10年経過した住宅の場合

新築から5年~10年程度経過した住宅では、まだそれほど大規模なメンテナンスは必要ありません。
とはいえ、そろそろ経年劣化が気になりはじめる頃でもあります。
そのため、たとえば、外壁の場合は、取り替えではなく、塗装の補強で対応します。
外壁に使用されることが多い資材で「窯業系サイディング」がそれにあたります。
これはパネル化した建材製品で窯業系といわれるセメントに繊維質を混ぜたものや金属製のものがあります。
窯業系サイディングでは、塗装を重ねることで雨水を防ぐコーティング効果が得られ、耐久性が向上します。
また、耐久性は塗料の違いでも変わり、耐久性が高くなれば、値段も高くなるのが一般的。
アクリル系で5~7年、ウレタン系で8~10年、シリコン系で12~15年の耐久レベルだといわれています。
塗装の保証期間を10年や15年間としているメーカーも多く、その保証期間に合わせて塗り替え時期の目安にするとよいでしょう。
ほかにも、サイディングの外壁では、パネルとパネルの継ぎ目に施している「シーリング」にひび割れなどの劣化が現れてくるのが10年程度経過した頃です。
サイディングの塗装補強や塗り替えの際には、同時にシーリングの打ち直しをする必要があります。

築5年~10年程度でも、外的環境によっては、清掃程度のメンテナンスで済むようであれば、塗り替え時期を先延ばしにしてもよいでしょう。
また、建物内であれば、クロスの汚れや損耗で劣化が目につくようになるのが築5年を経過したあたりからです。
クロスの場合も、日頃から専用洗剤でこまめに掃除することで貼り替え時期を先延ばしにすることができます。

▽築10年~15年経過した住宅の場合

築10年~15年程度経過した住宅でメンテナンスが必要になる筆頭は「給水配管」です。
給水配管の耐用年数が約15年なので、一部交換や補修が必要な時期に差し掛かってきます。
また、前述した「窯業系サイディングの塗り替え」や「シーリングの打ち直し」を先延ばしにしていた場合には、そろそろメンテナンスの実施を検討する時期になります。
内装でも、「クロス」の貼り替え時期になるので、準備しておくとよいでしょう。
ただし、窯業系サイディングやシーリング、クロスは、日常的なメンテナンスによっては、さらにもう少し先延ばしが可能です。
なるべく築15年に先延ばしできるように日頃の手入れを心掛けるようにましょう。

▽築15年~20年経過した住宅の場合

築15年を超えてくると、給排水設備の損耗や経年劣化の進行が想定されるため、設備の入れ替えが必要になります。
内装でも同様に入れ替えが必要になってくるため、そろそろ大幅なメンテナンス計画を検討しなければなりません。
住宅ローンがまだ終わらないうちに、大きなメンテナンス費用がかかるのは、とてもしんどい話です。
メンテナンスのために、また新たにローンを組まなければならないという事態になるのは是が非でも避けたいもの。
対策としては、メンテナンスを実施する目安を、築20年までは、目視でどうしても修繕や入れ替えが必要な箇所のみに限定することです。
そろそろ大掛かりなメンテナンスが必要になる頃なので、実施箇所をそのような目安で限定することで、費用の大幅な削減が可能になります。

▽築20年~25年経過した住宅の場合

築20年を経過した頃には、ひと通りのメンテナンスを終えて落ち着いてくるため、日頃の手入れと定期的なメンテナンス周期を守るようにしましょう。
しかし、もしこの時期まで外壁や内装のメンテナンス一切を怠っていた場合には、最大で数千万円単位でのメンテナンス費用がかかってくる恐れがあります。
築20年ともなれば、さすがに建物自体の損耗や経年劣化も進行しているため、耐用年数も短くなっています。
耐用年数を少しでも延ばすためには、日頃の手入れや定期的なメンテナンスがとても大切なのです。


2. 部分・箇所で見る!戸建住宅メンテナンスの最適な時期

部分・箇所で見る!戸建住宅メンテナンスの最適な時期

ここまで「築年数から見たメンテナンスすべき箇所」を解説してきました。
戸建て住宅のメンテナンスがじつに多岐に渡ることをご理解いただけたのではないでしょうか。
今度は反対に住宅の箇所別にメンテナンス時期の目安とその内容を解説していきます。

▽「外壁」のメンテナンス時期と内容

外壁のメンテナンスで必要なのは、塗装やシーリングのやり直しです。
外壁や塗料の材質によっても、メンテナンスの時期や内容が異なります。

・窯業系サイディング/モルタルの場合:10年~15年程度で塗り替えが必要
・ シーリング:5年~15年で打ち替えが必要
・ 木製部分や鉄製部分:5年ごとに塗り替えが必要

築年数が進めば、傷み具合により、古いサイディングに新しいサイディングを重ねる増し張りや張り替えが必要になってきます。

▽「屋根」のメンテナンス時期と内容

屋根の場合は、材質だけでなく、形状や瓦の有無などによっても、必要な作業が異なります。
屋上の防水工事や雨どいの交換といったメンテナンスが必要になる場合もあります。

・ トタン屋根:10年程度で塗装、20年程度で交換が必要
・ 瓦屋根:10年から20年程度で葺き替えが必要
・ 防水工事:10年ごとに防水シートの交換が必要
・ 雨どい:10年で点検、20年程度を目安に交換が必要

最近の屋根材では、古いスレート瓦全体に、新しいスレート瓦を乗せるカバー工法が一般的です。
金属製の屋根の場合は、10年ごとの塗装メンテナンスを定期的に行っていれば、50年近くもちこたえます。
昔ながらの瓦屋根の場合、瓦自体の耐用年数は50年以上と長いですが、部分的な割れや瓦を固定する漆喰の崩れなどに対する部分的な修繕が欠かせません。
定期的な部分メンテナンスをくり返し、それでも瓦と屋根側の下地が劣化してくれば、いよいよ葺き替えの時期といえます。

▽「クロス」のメンテナンス時期と内容

内装で最も面積をとるのがクロスです。
クロスは10年程度で剥がれてくることがあり、特に結露が多いところでは、10 年より早く剥がれはじめます。

・ クロス:10年を目安に貼り替えが必要

▽「床下」のメンテナンス時期と内容

シロアリから住宅を守るために定期的な防蟻処理と床下点検が必要です。
最近の戸建て住宅では、以前と比べて長く住めるようにする傾向になってきているため、防蟻対策や腐食対策が重要視されています。
耐用性を考えると、木造住宅は勿論のこと、鉄骨や鉄筋住宅でも木部分に対する対策は大切です。

・床下:5年ごとに点検や防蟻処理が必要

▽「水回り」のメンテナンス時期と内容(バス・トイレ・洗面所・キッチンなど)

水回りでは、築10年を経過すると、日々の使用による損耗や、錆びやカビなどからの腐食から水漏れなどの不具合が起こりやすくなります。
バス・トイレ・キッチンの混合栓やシャワー、洗面所のドレッサーなどは、日頃のお手入れや使用頻度によって耐久性・耐用性の限界が来れば、交換が必要になります。

・ バス・トイレ・洗面所・キッチン:10年~20年を目安に交換が必要

▽設備関係のメンテナンス時期と内容

給湯器が故障したり、配管にひびが入ったりと住宅設備の耐用性・耐久性も限界に達すると不具合も生じてきます。

・給湯器:10年~15年を目安に交換が必要
・給排水:20年~30年で交換が必要


3. メンテナンスの時期・費用一覧|住宅の修繕計画

メンテナンスの時期・費用一覧|住宅の修繕計画

ここまで解説してきた内容を箇所ごとに時期を費用も一覧にしてまとめました。
前述の解説とともに、メンテナンス計画の検討にぜひお役立てください。
※費用の目安は延床約40坪程度の一般的な住宅を仮に想定して算出しています。

▽外 壁

箇所 メンテナンス内容 時期 想定費用
窯業系サイディング 塗り替え 10年~15年 200万円程度
シーリング 打ち直し 10年 20万円程度
▽屋 根
箇所 メンテナンス内容 時期 想定費用
トタン屋根 交換 20年 150万円程度
瓦屋根 交換 20年 150万円程度
防水シート 張り替え 10年 85万円程度
雨どい 交換 20年 60万円程度
▽内 装
箇所 メンテナンス内容 時期 想定費用
クロス 張り替え 10年 60万円程度
床(下) 防蟻処理 5年 40万円程度
キッチン 交換 20年 100万~300万円程度
トイレ便器 交換 20年 20万~40万円程度
▽設 備
箇所 メンテナンス内容 時期 想定費用
給湯器 交換 10~15年 20万円程度
給排水設備 交換 20年 規模による

これらの表を見てみると、5年周期の定期メンテナンスと、20年前後での交換メンテナンスが多いことに気がつきます。
実施目安の時期が近いメンテナンス同士は、まとめて一度に実施する方が、コストが安く済むことを覚えておきましょう。
特に足場を組む作業の場合、足場だけで数十万円ものコストがかかります。
外壁の塗り替えを検討するなら、一緒に屋根のメンテナンスをするなど計画的な実施を考えると効率的です。

日頃のお手入れや定期メンテナンスは、急な不具合や大規模な修繕を強いられることを防ぎ、さらに耐用年数を引き延ばすこともできます。
これらの表を参考にして、日頃からのお手入れや定期メンテナンスをしっかり実施して、無理のないメンテナンス計画を立てるようにしましょう。


4. 知っておきたいメンテナンスの重要性

知っておきたいメンテナンスの重要性

戸建て住宅でのメンテナンスは、住宅の持ち主次第になってきます。
分譲マンションを購入した場合と異なり、メンテナンスの実施は持ち主の自由なのですが、それだけに建物に対する維持管理の責任も伴います。
戸建て住宅のメンテナンスの重要性について確認しておきましょう。

戸建て住宅のメンテナンスは「自費」

戸建て住宅では、分譲マンションと比べると、メンテナンス(費)が見落とされやすい傾向があります。 これはマンションでは購入後にも共用部分に対して管理費・修繕積立金などがあるのに対して、戸建て住宅の場合は、住宅の持ち主が自らメンテナンス計画を立てなければ、メンテナンスとその費用について考える機会がないことが主な理由の一つだと考えられています。
前述してきたように、メンテナンスを怠っていると、損耗と経年による劣化が進み、そのうちに不具合が発生し、結果として、一度に大きな修繕費用がかかってしまうことになります。
分譲マンションであれば、管理組合が長期修繕計画を立てて、日頃から修繕積立金を集めているので、一度に大きな負担が発生するようなことはありません。
戸建て住宅は、建てたら終わりではなく、自分でメンテナンス計画を立て、必要な費用とともに日頃から準備しておく必要があります。

計画的なメンテナンスは「耐久性」と「資産価値」に影響する

日頃のお手入れや定期的なメンテナンスを怠っていると、損耗や経年劣化が進み、建物自体の耐久性を下げてしまいます。
また、耐久性が下がってしまうと、資産価値の低減につながり、売却時の障害になることもあります。
これは、定期的に必要なメンテナンスが実施されていないことで、売却金額が通常の相場金額から差し引かれてしまうことがあるからです。
金額交渉ができる購入希望者があるうちはまだよいのですが、外観や設備の劣化が進んでいると、購入希望者すら現れないといった事態にもなりかねません。
耐久性のことを考えて、建物にとって必要なメンテナンスを計画的に実施するようにしましょう。


5. まとめ

5. まとめ

戸建て住宅は、分譲マンションとは異なり、購入して終わりではなく、所有者自身がメンテナンス計画を立てて、しっかり実施していかなければなりません。
戸建て住宅のメンテナンスは、外装・内装・設備などさまざまな箇所に及ぶため、全体を把握するのがむずかしくなります。
その上、戸建て住宅の場合、メンテナンス費用はすべて自費になるので、ついメンテナンスを先延ばしにしがちです。
メンテナンスを怠っていると、建物自体の耐久性が下がり、不具合が出てきてしまった頃には、かえって大きな費用負担を強いられる事態になりかねません。
今回ご紹介した「築年数別」あるいは「建物の箇所別」のメンテナンス一覧を参考にして、自分なりのメンテナンス計画を立ててみてはいかがでしょうか。
もしご不明な点等があれば、弊社までお気軽にご相談ください。
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