「境界は明確であり、隣家の越境が明らかである」場合はその越境物がどのように影響
しているかを見極めましょう。
建物を新たに建築しようとする場合に影響があるのか、建て替えをしなくても日常生活に
支障があるのか、あるいは平時は特段の支障がなく、将来的に越境が解消されれば良いか、
など状況により対処が異なります。
購入しようとしている土地が越境により支障が生じている場合は、売買契約を交わす際に
「引渡までに問題を解決できなければ売買契約を白紙解除する」
「隣地が将来建て替える際には越境状態を解消する」
などの文言を入れた文書(合意書、確約書、念書等)を交わすことが大切です。
この時、隣地の所有権が第三者に移転された場合にもその内容を引き継ぐ旨を併せて盛り
込むことがポイントです。このような場合に隣地所有者などから文書を取得する交渉など
は売主の責任において行うものです。スムーズに文書を得られないのであれば、売主と
隣地所有者の関係がうまくいっていないことも考えられます。隣地所有者がどのような
方なのかを確認の上、購入の判断をする必要があろうかと思われます。