前回は建築寸法の表現ということで、「尺モジュール」をご紹介致しました。
このモジュールで使用される「尺」や「寸」ですが、そもそもは身体尺が由来とされ、「尺」の文字は、親指と人差し指を広げたカタチが由来だといわれます。
そして、もともと1尺とは、手を広げた時の親指の先と中指の先の長さのことなんだそうです。現在は1尺=30.303cmとなっていますが、大昔の1尺とは20cmに満たない長さだったんですね。
次に「寸」は、親指の幅に由来するそうですので、『一寸法師』がどれだけ小さいかがよくわかりますよね。
これは「インチ」も同じですから、『一寸法師』はそのまま〈1inch boy〉になるってことで良いんでしょうか?
次回からは現場で使用される三六(サブロク)等の、更に派生した用語についてご紹介致します。
さて、前回は建築寸法の「尺モジュール」についてお話させて頂きましたが、今回はさらに派生した用語をご紹介しますね。
これは聞いたことがある方も多いかと思いますが、「三六(サブロク)」「三十(サントオ)」
といった用語があります。尺貫法による呼称でサイズの意味を持ちます。
例えば3尺×6尺サイズの材を(サブロク)3尺×10尺サイズの材を(サントオ)と言い、
サブロクのプラスタ-とかサブロクのベニヤとかいいます。他にも「二八(ニハチ)」や「四八(シハチ)」などもあります。
次に建築寸法規格の一種で「五八(ゴハチ)」という用語があり、在来住宅の和室の内法、つまり鴨居の高さが、五尺八寸に決まっていた名残をさします。現代では人の身長も高くなり、内法が高くなる傾向にあります。(規格の外付けサッシも、現在は五尺八寸/六尺/六尺一寸などがあります。)