◇ 壁
壁の厚さについては、150mm以上であることが防音のひとつの基準とされています。
もちろん、壁は厚ければ厚いほど、遮音性・防音性が優れたものになるでしょう。
そのため、戸建て物件では壁の厚さを増す工事が行われることもあります。
マンションなどで壁の厚さが不足している場合は、遮音シートや遮音下地パネルの設置、
時にはグラスウールや繊維などの併用によって、防音性を高める工事が行われます。
◇ 窓
戸建て物件では、内窓を設置したり、防音性の高いガラスを導入したりすることによって、
防音リノベーションが行われています。
一方、マンションでは窓の外観に手を加えられないことが多いので、気密性の高い
防音サッシを内側に取りつけるケースが多くなっています。
◇ 床・天井
床に関しては、コンクリート床への直張りと、二重床の2パターンがあります。
直張りはフローリング材を直接張る工法ですが、音が階下にストレートに伝わる
可能性が高いので、遮音性の高いフローリング材を使うか、場合によっては
フローリング材の下に緩衝材をはさむことで遮音効果を高めます。
二重床は高い防音効果を期待できますが、フローリング材の下に緩衝材を
はさめばさらに効果的です。予算も踏まえながら、住宅ごとに適した工法を
選ぶようにしましょう。
天井に関しては、遮音シートと防音性の高い石膏ボードなどを組み合わせる方法が一般的です。
◆ 床の遮音性能はどうやって確認する?
床の遮音性能は、数値によって表されることがあります。LL45やLL40のように表記されますが、
この数字が小さいほど遮音性能が高いことを意味します。
歩いたり、飛んだり跳ねたりするときの足音は重量衝撃音(LH)と呼ばれ、物を落としたり、
椅子を引いたりするときの音は軽量衝撃音(LL)と呼ばれています。
現代の遮音フローリングの目標値としては、一般的にLL45とされています。
床の防音リノベーションを行う際には、この数値を目安に具体的なプランを
考えていくと良いでしょう。