理想の暮らしを実現する家づくりの中で、最近人気を集めているのが持ち家や購入した中古戸建のリノベーション。新築物件を建てたり購入するのと比べるとコストが安くすみ、個性的な家づくりを叶えられるところが人気の理由です。
お気に入りの住まいを自分好みの間取りやインテリアでカスタマイズして、思い描く理想を形にできます。
戸建てのリノベーションにはいくつか注意が必要です。例えば、ブレーカーの電圧が不足していたり、下水が通っていなくて浄化槽を使用していたり、都市ガスではなくプロパンガスを使用していたり。住宅にある既存の設備が改修したい設備と規格が合わない場合は、別途工事が必要となって費用も膨らみます。
戸建てリノベーションを選択する場合は、十分にメリットとデメリットを理解しておくことが大切です。
戸建てリノベーションの最大のメリットは、新築物件より価格が安く抑えられること。所有の住宅をリノベーションする場合でも、中古物件を購入してリノベーションする場合でも、新築よりもコストを抑えて新築と同様の家に生まれ変わらせることができます。自分のライフスタイルに合わせて壁や柱を抜いて間取りを変更したり、キッチンや浴室などの設備を最新のものに入れ替えたりと、リノベーションの自由度も高いです。また、その家が持つ良さを生かしたリノベーションも可能。個性的で味わい深い住まいが実現できるのは、戸建てリノベーションならではです。
住宅は、築年数が古いほど老朽化が進み、耐震性や耐久性が低下している可能性が高くなります。特に、新耐震基準が適用される前に建築された住宅では、リノベーションとは別に耐震工事が必要になる場合も。リノベーションの範囲が大きいほど、工事費用が大きくなることはもちろん、工期が長引き、住むまでに時間がかかります。また、リノベーションの費用の支払いにリフォームローンを利用すると、住宅ローンより高い金利が適用されるため、支払い総額が高くなる場合があります。
所有の物件ではなく、中古物件を購入してリノベーションする場合は、物件価格の他に、不動産業者等への仲介手数料や登録免許税、住宅ローン手数料などの諸経費が必要です。諸経費は通常、ローンに組み込まず現金で支払うのが一般的なので、どのような諸経費があり、合計でいくらかかるかを確認しておきましょう。
工事を行う範囲や規模によって、費用は大きく異なります。イメージしているリノベーションが予算内でできるか、リノベーションを行う会社にしっかり確認を。予算オーバーになってしまったら、優先順位を決めて十分に検討することをおすすめします。
固定資産税は毎年まとまった金額で支払うことになります。また、外壁塗装や屋根塗装、設備機器の入れ替えなど、定期的なメンテナンス費用は今後ずっと必要です。このほか、家具などのインテリアにも意外に費用はかかるもの。予算に組み込んでおきましょう。
長い間住むことになる家なので、耐力があるかが重要です。地盤や基礎をチェックして、傾きや沈下がないか確認を。また、床下や屋根裏に湿気による傷みやシロアリ被害や雨漏りがないかも確認しましょう。劣化が見られる場合は、梁や柱を補強したり一部を交換したりしなければなりません。工事費が増えるだけでなく、本来の雰囲気が壊される可能性もあります。リノベーションで古民家の良さが失われるのは本末転倒。基礎はそのまま使える元気な家を選びましょう。
周辺環境をリサーチし、暮らしやすい環境かどうかを確認することが大切です。昼夜での違いはもちろん、季節によっても暮らしやすさは変わります。大雨や台風の被害がないか、冬の積雪や凍結はどうか、生活に直結する情報はインターネットや不動産会社から集めましょう。不動産会社には、「こんな暮らし方がしたい」と具体的に伝えることで、それに合った物件資料をもらえます。また、希望の物件が見つかったら、遠隔地であっても何度か見学にいくことをおすすめします。
古民家にそのまま住む場合、担保評価が低すぎたり築年数が古すぎるという理由で住宅ローンが少額になるか、最悪の場合ローンが組めない可能性もあります。しかし、リノベーションをすれば住宅の価値は上がるので、違反建築物でなければ融資は受けられるでしょう。
戸建てのリノベーションは、理想通りに住まいづくりができるかどうかを確認することが重要です。
また、中古物件を購入してリノベーションする場合は、物件を選ぶ前にどんな暮らしがしたいかをできる限り明確にイメージしておき、それを叶えるにはどれくらいの築年数でどんな周辺環境かを考えておくことが大事です。
また、どんなに周辺環境が良くても、老朽化が進んでいる住宅はリノベーション費用が高くなり、おすすめできません。家の安全性を判断するには床下や屋根裏なども見ておく必要があるので、建築士など専門家の検査を受けることをおすすめします。