何かとトラブルになりがちな退去の際の「原状回復」。
Q&A方式で分かりやすく説明していきたいと思います。
Q たばこのヤニ、煙による壁紙のよごれはどうなるの?
■ たばこの煙は過失のように思われがち
タバコの煙、ヤニによって壁紙が黄ばんだりした場合、一般的には入居者の故意、又は過失として壁紙の張替え費用を
負担しなければならないように思われます。
しかし、通常のハウスクリーニングで除去できるレベルのものであれば、タバコの煙も「通常使用の範囲内」として、
退去者は費用を負担する必要がありません。
問題はクリーニングで除去できないレベルにまで来てしまったヤニや黄ばみ。
この場合は、「通常使用の範囲」を超えた使用があったと判断され、退去者が張替えの費用を負担しなければなりません。
(ただし、経過年数に応じて価値の減少分を差し引いた現存価値の負担となります)
■ 壁紙補修の面積割合
壁紙の汚れが、通常のクリーニングで除去できないレベルにまできてしまい、壁紙を貼り変えなければならない事になって
しまったら、負担しなければならない面積割合とはどれくらいなのでしょう。
国土交通省が作成しているガイドライン上の回答としては、原則㎡単位としていますが、張替えが必要なレベルの場合は、
汚れてしまっている部分を含んだ一面分までを借主負担とする、としています。
つまり、お部屋全体の費用を負担しなければいけないと言うことになります。
愛煙家の皆さん、この点は注意ですよ。
因みに、これは壁紙だけでなく、天井クロスの補修についても同様です。
■ まとめ
通常のハウスクリーニングで落ちるレベルの汚れ⇒賃貸人(家主さん)負担
通常のハウスクリーニングでは落ちないレベルの汚れ⇒賃借人(退去される方)負担
費用負担は経過年数・現存価値に応じてその割合を決めます。
又、毀損部分が限定していれば㎡単位での部分補修でOKですが、複数にまたがる場合は1面補修となります。