今月は神戸市内にも数多くある「私道」についてお話させて頂きます。
一口に私道といってもその状況は千差万別で、ほとんど公道と変わらず一般の人や車が行き交うものから、入り組んだ路地、
地主が入口を塞いで車の進入を阻止しているものもあります。
個々の事例はさて置き、今回はあくまで私道を公道化する際の一般的なお話をさせて頂きます。
私道の公道化の事を「私道の移管」といいます。
基本的には再開発や都市計画道路(新設・拡張)による土地の買収でなければ、その私道を市区町村に寄付することが考えられます。
私道とはいえ、立派な財産であり、「寄付をする」といえばどこの自治体でも受け付けてくれるような印象ですが、それほど簡単には運び
ません。
公道として扱うことになれば、その舗装や維持管理などの費用を自治体が負担しなければならず、公費を投入することになりますので、
それに見合う道路でなければ「寄付を受け付けない」というのが原則です。
具体的な受付の基準はそれぞれの自治体によって異なりますが、おおよそどの自治体でも共通しているのが「一般の通行に利用され
ていること」という要件です。
要するにその道路の公共性を重視しています。
特定の限られた人だけが利用する私道ではなく、その両端がどちらも公道に接していて通り抜ける事ができ、一般の人や車の通行が
可能であること、特別な利害関係を有する人がいないことなどが条件になっています。