相続した不動産を自己使用せず売却し、うまく現金化できればいいのですが、
もし相続した不動産がなかなか売却できないとなったら・・・
まず、売却できない理由をあげると、
1.売却希望価格が相場とずれている
2.交通の便が悪いなどの立地に問題がある
3.再建築不可(中古戸建の場合)
4.狭小地である 等、様々な理由があるかと思います。
「最悪自治体に寄付すればいいのでは・・・」しかし、その考えは甘い!
個人で所有していくのに限界を感じ、処分ができない不動産を自治体に寄付すればいいのでは・・・
そう思われる方もいらっしゃるかと思います。
「いらない土地=売れない土地」当然自治体も必要ありません。
現金の寄付でしたら受け付けてもらえますが、不動産の寄付は大半のケースで拒否されてしまいます。
処分できない不動産は、相続放棄で手放せるのでは?
売れない土地の固定資産税を払うくらいなら「相続放棄」することを決めている。そんな方も多いと思います。
相続放棄したからと言って、相続財産の所有権を放棄できるわけではありません。
土地の所有者は、あくまでも相続放棄した相続人名義です。
相続放棄によって、固定資産税の支払い義務はなくなりますが、相続放棄でも所有権の放棄は免れません。
所有権を放棄できないということは、当然のことながら所有者としての責任は発生します。
所有者として土地の管理責任を負う義務が生じます。
この管理責任を怠ると損害賠償や刑事責任を問われる場合があります。
全ての責任を放棄するためには相続財産管理人を選任して裁判所へ申し立てを行ってもらい、相続財産を国の所有としてもらって、はじめて「不要な土地」を手放すことができます。
しかし、相続財産管理人の選定には予納金などのコストの問題(数十万円~100万円程度)が発生します。
固定資産税の負担と比較し、相続財産管理人の選任は見送られることが多いのが実情です。
思い出のある不動産であればあるほど、価格を下げて売りに出すことに抵抗はあるかと思いますが、
最後は「絶対に売却するんだ!」という気持ちと努力が必要になるかもしれません。